藤沢の三浦真弘司法書士・行政書士事務所

商法・会社法Web講座2016 vol.6「株主の変動」

商法・会社法Web講座2016 vol.6「株主の変動」

1.授業の概要

第6回のテーマは「株主の変動」です。
前半は、種類株式の活用例として、現実に利用されている内容などを紹介しました。
後半は、株主名簿、株式の譲渡、自己株式の取得など、テキストの内容を進めていきました。

2.種類株式の活用例

前回は種類株式の理論編のような内容でしたが、今回はそれを踏まえて実践編を紹介しました。
例えば、配当優先株式議決権制限株式の組み合わせは、上場会社などでも様々な場面で利用されています。
また、取得請求権付株式取得条項付株式を活用することで、株式を転換(交換)することも可能となります。
一般的に株式の転換は、株主が現在保有する株式を、会社が取得するのと引換えに、会社からその株主に異なる種類の株式を交付することで実現できます。
例えば、一定の事情が生じたことにより、会社が取得条項付株式を保有する株主からその株式を取得するのと引換えに、会社からその株主に対して普通株式を交付するといった具合です。
その株主は、当初は取得条項付株式を保有していたわけですが、会社による取得後は普通株式を保有することになります。
そのため、会社の取得により、取得条項付株式から普通株式に転換されたといえるわけです。

3.株主名簿

株式会社は株主名簿を作り、管理することになっています。
しかし、上場会社など株主の変動が頻繁に行われる場合には、自社で株主名簿を管理したりすることが負担になることも考えられます。
そこで、定款で定めることにより、株主名簿の管理などを行う株主名簿管理人を置くことが認められています。
また、会社が株主に情報を発信する場合には、基本的には株主名簿の内容が基準となります。
そうすると、上場会社などでは日々株主が変動する可能性があるため、いつの時点での株主(名簿)を基準とすべきか問題となることもあり得ます。
特に株主総会を開催する場合には、株主に招集通知を送ることになりますが、日々株主が変わると招集通知を送るべき株主や、総会当日に参加できる株主が固まりません。
そこで、ある一定の日に株主名簿に記載(記録)されている株主を基準として、株主に権利(株主総会の議決権など)を行使させることが認められています。
この「ある一定の日」のことを基準日といい、基準日時点の株主のことを基準日株主といいます。
基準日を定めた場合には、その基準日の2週間前までに一定の内容を公告(定款で定めた方法に従い公表すること)することになっていますが、定款でその内容を定めた場合には公告は不要となります。
なお、単に基準日制度を利用するというだけでは、定款の定めは特に必要ありません。

4.株式の譲渡

株主は、原則として、株式会社に出資した財産の払戻しを受けることができません。
しかし、様々な事情により、その会社の株主をやめる必要性が出てくることもあり得ます。
そこで、会社法では、原則として株主が株式を自由に譲り渡すことが認められています。
これを株式譲渡自由の原則といいます。
なお、会社は、会社法のルールに従って、株式の譲渡を制限することもできます。
特に中小企業では、会社が発行する全部の株式について、譲渡を制限しているケースが見受けられます。

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