藤沢の三浦真弘司法書士・行政書士事務所

商法・会社法Web講座2016 vol.10「役員の責任」

商法・会社法Web講座2016 vol.10「役員の責任」

1.授業の概要

第10回のテーマは「役員の責任」です。
前半は、会社法の改正の動向や監査等委員会設置会社、指名委員会等設置会社に触れた後、役員等の損害賠償責任について解説しました。
後半は、資金調達の分野に入り、株式の発行の全体像を確認しました。

2.監査等委員会設置会社と指名委員会等設置会社

監査等委員会設置会社は、平成26年改正(平成27年5月1日施行)で新たに創設された制度です。
この平成26年改正では、コーポレート・ガバナンスの強化がテーマの1つとして取り上げられており、とりわけ社外取締役の活用が期待されています。
この点、改正前の制度では、社外取締役の設置を義務づけるスタイルとして、委員会設置会社(現在の指名委員会等設置会社)が用意されていました。
しかし、この委員会設置会社は、様々な理由からあまり活用されていませんでした。
そこで、いわば通常の会社と委員会設置会社の中間のような位置づけで、監査等委員会設置会社が創設されました。
なお、今後、社外取締役のあり方について見直される可能性がありますので、動向が注目されます。

3.役員等の損害賠償責任

取締役や監査役といった役員(役員等)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって発生した損害を賠償する責任を負います。
この責任を任務懈怠責任(にんむけたいせきにん)といいます。
このような場合、損害を受けた会社は取締役などに対して、その責任を追及することになります。
しかし、会社と取締役などとの関係から、取締役などへの責任追及を期待できないことも考えられます。
そこで、一定のルールに従い、株主が取締役などの責任を追及することが認められています。
具体的には、一定の株主は、株式会社に対し、原則として役員等の責任を追及する訴え(責任追及等の訴え)の提起を請求することができます。
そして、株式会社がこの請求の日から60日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができます。
一般的にこの訴えのことを、株主代表訴訟といいます。

4.株式の発行

株式会社は、会社設立後も株式を引き受ける者を募集し、株式を発行することができます。
このような株式を発行するためのルールは会社法に定められているわけですが、株式の発行形態によってそのルールが異なることがあります。
そのため、まずは株式の発行形態の違いを理解することが大切です。
株式の発行形態は、株式会社が発行する株式を誰に割り当てるかという点から、大きく3つに分けられます。
具体的には、株主割当公募第三者割当で、このテーマのニュースなどでは公募や第三者割当という言葉を見かけることが多いように思います。
なお、株式発行のことを増資ということがあり、発行形態と組み合わせて公募増資、第三者割当増資などと呼ばれることもあります。
今回の授業では、株式発行の流れや救済措置について概要を紹介しました。
次回以降、より実践的に、資金調達のニュースなどを確認する予定です。

このエントリーをはてなブックマークに追加

« »