藤沢の三浦真弘司法書士・行政書士事務所

商法・会社法Web講座2016【コラム】「有限会社とは」

商法・会社法Web講座2016【コラム】「有限会社とは」

1.はじめに

平成18年5月1日に会社法が施行(スタート)されて、10年経ちました。
この会社法の施行と同時に、有限会社のルールについて定めていた有限会社法が廃止され、以降、有限会社を設立することができなくなりました。
しかし、その後、有限会社から株式会社に移行した会社はあるものの、現在でも有限会社として事業を行っている会社は多数あります。
そこで、今回は会社法施行前の株式会社と有限会社の違いや、現在の有限会社の位置づけなどについて確認したいと思います。

2.有限会社とは(会社法施行前)

そもそも有限会社とはどのような会社なのでしょうか。
有限会社は、有限会社法に基づいて設立された会社です。
もともと株式会社は大規模な会社を想定していたのに対し、有限会社はどちらかといえば小規模で閉鎖的な会社を想定していました。
例えば、資本金について、会社法施行前の株式会社では1000万円以上必要なのに対し、有限会社では300万円以上で足りることとされていました。
また、役員についても、会社法施行前の株式会社では取締役3人以上、監査役1人以上が必要なのに対し、有限会社では取締役1人以上いればよいというルールになっていました。
会社法施行前の株式会社と有限会社について簡単に比較すると、以下のようになります。

会社法施行前の株式会社と有限会社

3.会社法の施行(平成18年5月1日)

平成18年5月1日に会社法が施行されて、株式会社のルールが大幅に変わりました。
例えば、資本金については、最低資本金制度が廃止され、資本金1円の株式会社を設立できるようになりました。
また、役員についても、取締役1人以上いればよいこととなりました。
つまり、会社法の施行によって、従来の有限会社と同じようなスタイルの株式会社を作ったり、運営したりすることができるようになったのです。
そこで、会社法の施行と同時に、有限会社のルールについて定めていた有限会社法が廃止され、以降、有限会社を設立することができなくなりました。

4.有限会社の位置づけ(会社法施行後)

もっとも、会社法の施行の時点で数多くの有限会社があり、その時点で存在している有限会社を全て否定するのは現実的ではありません。
そこで、有限会社は「特例有限会社」と呼ばれ、株式会社の特別な形として存続することになりました。
そのため、現在存続している「特例有限会社」は、基本的には会社法のルールに従って運営することになります。
ただし、以前の有限会社のルールを引き継ぐなど、別の法律(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律)で株式会社とは異なるルールが定められている部分もあります。
なお、一定の手続を行うことにより、「特例有限会社」から株式会社に移行することもできます。

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